2011年8月31日水曜日

5.3 インド人の仕事スタイル : インドで働くKEY WORD = 「 3F 」


3つの「F」とは何だろう


これは国連のインド・デリー事務局に掲げてある標語だそうだ。  

最初聞いた時には、なんだか上から目線だなと思ったが、今ではハート(心、今この瞬間)に生きるインド人になる為の練習なのだと思うようになった。
 
机の前に貼り出して、時々リマインドするようにしていた。

確かに効果はある。 特にインドに来て間もない、インド初心はおまじないの様に毎日お唱えする事をお勧めする。

インド人と仕事をする場合は、「 過去は忘れて、寛容さを持って、明日では無く今日やることを一歩一歩進む 」 というような意味合いだ。 まさにこの瞬間に生きる、インド的、瞑想的な標語だと思う。



【今日の写真】
インドの南沙織と勝手に呼んでいる日本語勉強中のニーシャさん。手に持っている葉っぱのようなものは、「ミタ・マサラ・パン」と呼ばれる口腔清涼食品。 食事の後で、屋台などで買ってパクッと一口で食べる。
ミタは甘いという意味で、パンという葉っぱに甘いマサラを塗りつけたもの。味は甘い太田胃酸という感じ。

2011年8月30日火曜日

5.2 インド人の仕事スタイル : 日本人がストレスを感じる訳


インド人は「心」を中心に生きている。あるいは「心」を中心生きていける社会環境がある。自分が「その瞬間やりたい事:Want to」を優先する(そのためにいろいろな弊害も起きるが)ことにより精神的に溜め込む事が無い。
一方多くの日本人は、「頭」で「先の事should be」ばかり考える生活をしている。「頭」を使いすぎる弊害が以下の図だ。


日本人は「頭」が勝手に作り出した基準、「こうあるべき自分」と「現在の自分」とのギャップがストレスとなり、不安になているのだ。 インド人は「こうあるべき」とは考えず、ただ「こうありたい」とその瞬間に思うだけだ。 その結果はうまくいく事もあるし、いかない事もある。 「やってみなければわからない」というスタンスで物事に臨む。。 ポジティブでもネガティブでもない、、「ただやる」「やってみる」という姿勢なのだ。

インド人は「心」で「頭」を効率良く使う事ができる。 基本的にインド人はスゴク「頭」が良いし、超論理的だ。

多くの日本人の大きな問題は「頭」が自分だと思っている。(私もインドに来るまでそう思っていた。)「頭」は脳の新皮質で、成長の段階(後)からできてきたものなのだ。。

日本人はあまりにも効率的に生きようとするために「心」に蓋をしてしまっている。。「疲れているから会社に行きたくない」と「心」が訴えても「頭」が「今日はお客様と会議」があるといって無理に会社に行く日本人。。。「会社を休めばいいのだ」 インド人なら間違いなく休む。 インド人は正しいと思う。 

では日本人はどうしたら良いのか。。それは全てに「客観的」つまり、頭を使っている自分を常に認識している、仏教用語では「観照的」に生きるということだ。。簡単では無いかもしれない。  捨てなければいけないものが沢山あるかもしれない。。

先ずは目を閉じて、、「心」の自分に出会うことだ。 考えずに目を閉じる。。ただそれだけの事だ。








5.1 インド人の仕事スタイル : ストレスが無い理由

これは、インド人の仕事スタイルを批判している訳では無く、日本人の仕事スタイルが働く人の犠牲の上で「過剰」で「オーバー・サービス」ではないだろうかと感じた事を書いてみたい。そして日本人のストレスを開放するためにはどうすれば良いのかを書こうと思う。

先ずインド社会の構造に起因する事だが、日本から見るとインドでは、働く人の数が猛烈に多い事から来るジョブ・シェアリングとでも言うようなJOBの細分化が全ての職種で行われている。 IT産業でも職種が細分化されて、それぞれ専門化されている。 日本ではなるべく少数の人数で「お互いを補完しあいながら目標に向かって進む」という感じだが、インドでは細分化された自分のアサイン以外は他への干渉無しで仕事は進む。

インドではトップダウンの指示命令系統に逆らうということが無い。また指示された事以外は上からの許可が無い限りやる事は無い。さらに、その指示が間違っていようと、どうであろうと、、ただやるという感覚。。
与えられた仕事の中だけで最高効率を追求していく。。従って、、その結果については、明らかなミスを除いて、自分では何の責任も感じていない。
日本人の仕事のスタイルが「請負」的であるのに対して、インド人の仕事のスタイルは「支援」的だ。スケジュールに対しても、もちろん意識して仕事をするが、できなくてもそれはなんらかの理由で自分のせいにはならないロジックを常に組み立てている。

最初インドに来たとき、、「なんだこれは!!」と思ったが、、2年経った今は、これが「インドの底力」、という気がしている。。たとえ少々納期が遅れようが、品質的に問題があろうが、、インド社会全体として7%以上の経済成長を続けているのだ。 しかも重要なのは、、明らかに働いている人々がハッピーなのだ。

これは、細分化された社会の仕組みと、、インド人の精神構造の健全さから来る。 では日本人がストレスを感じないようにするにはどうしたらよいだろう。。。









2011年8月29日月曜日

4.4 インド人の味覚 : アルフォンソ・マンゴー

やはり、インドの味覚の王様はこの「アルフォンソ・マンゴー」だろう。 
これを食べずしてインドを語ることはできない。。というくらい美味しい。 

それが一個30から40ルピー(50円~70円)で食べられるのだ。 日本の高級マンゴーが一玉3000円以上というのは、、人件費ということなのだろう。。。 

「アルフォンソ・マンゴー」の味を一度知ってしまうと、、二度とフィリピン産マンゴーが水っぽくて食べられなくなる。。

ただこの「アルフォンソ・マンゴー」は、インドの暑い夏、4月5月限定の果物で6月のモンスーン(雨季)が来ると終わりになる。 

40℃のインドの暑い暑い夏に耐えた人だけが、ご褒美として食べることができる。。



2年前から日本にも輸出が始まったらしい。。来年の4月に是非お試しあれ。

マンゴーは「うるし科」の植物らしく、食べ過ぎてマンゴー中毒(アレルギー)になったという話を何人かから聞いた。 熟れ過ぎのマンゴーをもったいないからと、、食べると良くないようだ。。

【今日の写真】
ゴアの野菜市場でマンゴーを選んでもらった時の写真。その場で一個皮を剥いて食べさせてもらった。今年は昨年の季節はずれの雨でマンゴーが不作だった。4個買うと一つは中の種が腐っていたりで良くなかった。 切り分けたマンゴーは2010年の写真。

2011年8月28日日曜日

4.3 インド人の味覚 : SULA WINE


インドに来て、インド産のワインがあるとは思っていなかったし、、そのインド産ワインがすばらしく美味しいというのは正直驚きだった。 

写真の犬は、その驚きのワイナリーの番犬ジョージである。 マハラシュトラ州はムンバイから北へ300KMのナシックという町にそのSULA スーラ・ワイナリーがある。 日本語を勉強中のインフォシスのエンジニアと2010年1月に行ってきた。


インドでも美味しいワインができる秘密は、カリフォルニアのナパ・バレーに似た乾燥して寒暖の差が大きい気候と、、夏(4月、5月)の40度の暑さを回避する完全冷房空調の効いた醸造タンク建屋だ。



オーナーのRajeev Samantさんとは、たまたまSULAワイナリー10周年記念パーティがイタリアン・レストラン ダリオスであった際に色々お話を聴くことができた。写真右がラジーブさんで超カッコ好いおしゃれでインテリジェンスを感じさせる方だった。左はダリオスのオーナーのイタリア人のダリオさん。





ではスーラ・ワインのお薦めは、、、一押しは、「 ロゼ・スパークリング 」だ。 辛口BRUTで、、そのバランスが絶妙だ。食前酒から食中酒としてこれ一本でずっと通しても良い。あらゆる料理と合う万能型かもしれない。






スーラの赤はカベルネ・ソービニオンを使った熟成タイプもあるが、、一番の薦めは「サトリ・メルロー」だ。 これは4度くらいに冷やして飲むと味がピリッと引き締まり、サッパリと飲める新感覚のメルロー100%の赤ワインだ。 「サトリ」は「悟り」でエチケットにはOSHOのナタラジ瞑想をイメージする図柄になっている。 ピザ、リゾットに相性が良い。




白では、シャルドネとシュナンブランのブレンドもあるが、、自分のお薦めは「 ソービニオン・ブラン 」だ。 これは、ニュージーランドのソービニオン・ブランほど濃厚ではないが、、とてもフルーティな味わいに仕上がっている。。 最初の一杯目としてマッシュルームのオーブン焼き、ブリー、カマンベール等白カビ系チーズと相性が好い。

以下のサイトで日本にも輸入されているらしい。。是非お試ししていただきたい。
SULA WINE輸入





2011年8月27日土曜日

4.2 インド人の味覚 : 南インドのスナック  プーリー・バジ


隣のテーブルで食べているのを見て、、美味しそうだなと思い注文してみたのが、この「 プーリー・バジ 」だ。

プーリーはチャパティと同じ小麦粉の全粒粉であるアタ粉を水で練って油で揚げたものである。 バジとはマラティ語でサブジ、いわゆる「 固形分の多い野菜のカレー炒め煮 」のことである。 食べ方としてはアツアツのプーリーを適当な大きさにちぎって、バジ(ポテトのサブジ)を包んで食べる。 写真のように一人前で5枚出てくる。 中は空洞なので思ったほどの量ではなく、、パクパク完食できる。

この「ポテトのサブジ」の味が美味しいか不味いかの分かれ道で、、インドの場合当りハズレの差が大きい。。

【ポテトのサブジ 材料】
ジャガイモ500グラムボイルしてカットしておく
青唐辛子4本縦割りにカット
ウラッド豆大さじ1/2
ターメリック小さじ1/4
マスタード・シード小さじ1
玉ねぎ3個繊維方向に切っておく
カレー・リーブ数枚
チャナ豆大さじ1/2  
コリアンダー・リーブ適宜
塩適宜

【調理手順】
1.鍋にサラダ油大さじ3~4を熱して、チャナ豆、ウラッド豆、マスタード・シード、青唐辛子、カレー・リーブ、玉ねぎ、ターメリックを入れ良く炒める。
2.カルパナ先生の隠し味で、ピーナッツ粉を大さじ2杯入れる。
3.ポテトを加え、塩で味を調えて、コリアンダー・リーブを散らす。

2011年8月26日金曜日

4.1 インド人の味覚 : 南インドのスナック  ワダ


もともとインドに来た理由の一つに、インド料理に興味があったことも大きな理由だった。 多分何か美味しいものがあるだろうと思っていたが、、最初に出会ったのが写真の「メドゥー・ワダ」だ。 ホテルの朝食に並んでいて、豆腐ドーナッツかと思った。 赤い「サンバル」、白い「ココナッツ・チャトニー」にディップして食べる。。 サンバルはインド版ミネストローネという感じのもので不思議な美味しさがある。ココナッツ・チャトニーはココナッツとグリーン・チリの爽やかな辛さが絶妙なタレ。。サクサク、アツアツのワダをこの二つのソースを交互につけて食べる。。。 南インドの朝食の一品。

ただし、お店によっては不味いところもある。 美味しいお店を探してみるのもインド生活の楽しみかもしれない。 写真はプネ市カリヤニ・ナガールにある「カリヤニ・ベジ」で撮影。


【ワダ 材料】
ウーラッド豆1カップ
青唐辛子2~3本
生姜大さじ1/2 すりおろした物
塩少々
油フライ用

【ワダ 調理手順】
<前日の準備>
1. ウーラット豆を8時間、3倍の量の水で浸しておく。
2.8時間浸した豆と青唐辛子、生姜を入れミキサーでグラインドする。浸していた水で硬さを調節する。
3.ペースト状になった2.を一晩、発酵させる。
<翌日>
4.発酵して、増量した生地を適量ボールに取り、塩を一つまみ入れ、水を少し加えて硬さを調整する。
5.手に水を付けて、生地を手に取り、真ん中に穴が空く形状に整えて熱した油でキツネ色に揚げる。


【サンバル 材料6人前】
黄色レンズ豆Thuval dal225グラム 前日に3倍の水に8時間浸して置く。
青唐辛子4本
トマト4個カット
タマリン戻し汁適宜 乾燥したものを水で戻したもの。すっぱい。レモンで代用可。
玉ねぎ2個みじん切り
塩適宜
アスフォティダ小さじ1/4 無くても良い
サラダ油適宜
赤唐辛子粉チリパウダ大さじ1
マスタード・シード小さじ1&1/2
フェンネル・シード小さじ1
ウラッド豆小さじ1
カレー・リーブ数枚
コリアンダ・パウダ大さじ1&1/2
ターメリック小さじ1/4
コリアンダ・リーブ適宜

【サンバル 調理手順】
1.黄色レンズ豆Thuval dalは前日に8時間3倍の水に浸しておき、ボイルしておく。  
2.おなべに大さじ4のサラダ油を熱する。ウラッド豆、フェンネル・シード、マスタード・シード、アスフォティダ、カレー・リーブを炒める。
3.玉ねぎを加え良く炒める。
4.トマトを加えて水分を少し飛ばす。
5.ターメリック、コリアンダ・パウダ、チリパウダ、黄色レンズ豆Thuval dalを加え、適当な濃度になるまで水を加える。
6.この時、冷蔵庫にあまっている適当な野菜(人参、ジャガイモ、かぼちゃ等)今回はロッキー(インド瓜)を加えた。
7.火を止めて、タマリンの戻し汁で酸味をつける。入れすぎないように。

【ココナッツ・チャトニー 材料】
ココナッツ1個分をミキサーにかけておく
青唐辛子6~8本
ニンニク2~3房
塩適宜
しょうがすりおろしたもの適宜
水あるいはヨーグルト適宜

【ココナッツ・チャトニー 調理手順】
1.上の材料全部をミキサーに入れ、水を少しずつ入れ様子を見ながらグラインドする。
2. ここでも隠し味としてピーナッツの粉を大さじ1入れてグラインドする。

2011年8月25日木曜日

B.2 番外編: インド携帯電話事情

日本人が「他人に迷惑をかけない」事で世界一 (多分病的)なら、インド人は「あらゆる所で携帯電話OK」で世界一(多分病気)である事は間違いない。

これはもう呆れるしか無いが、、

あらゆる社内会議では、出席者のモバイル呼び出しが優先される。

誰もマナーモードにしない。  インド人には「 マナー 」という言葉は辞書の中だけにしか存在しない。 しかも着メロの音量は常に最大だ。

バイクを運転中の場合は、肩と耳でモバイルを挟んで、運転しながら会話が常識。あるいはヘルメットの隙間に挟んで電話する。。

会社の食堂で昼食時には、、なんと食べながら電話する。 最初は、、目が点になった。。

女性社員の半数は離席して、バルコニーや階段などで電話している。 恐らく目覚めている間の80%は(どうでもいい内容の)電話をしている。

ボリウッド映画でもインド人の携帯電話マナーを皮肉るシーンがよく出て来る。最近観たシーンでは、 結婚式の最中、、Hの最中 。。。

この携帯電話のマナーの酷さの原因は、、恐らく通話料の安さに起因する。 2年前に日本のDOCOMOが乗りこんで、1秒1パイサ(100分の1ルピー = 0.168円)という通話プランで売込みを始め、それまで1分1ルピー ( 1秒でも1ルピー)に比べて60%くらい安いというこで、あっという間シェアを確保したが、他の電話会社も安いプランをドンドン出して、パンドラの壺を開けたと言われている。 インドの携帯電話の保有台数は日本の2倍を軽く超えていて、、10億台までは右肩上がりで伸びると言われている。 電波の割振りがそこまであるかが多分一番の問題だろう。。

インドと日本、、マッタクもう両極端な国だと思う。。。日本の中にいると気がつかないけれど。。。日本もちょっとマナーに関しては病的なような気がする。。あまりに寛容さの無い国。。。人間が小さいね。。細かい事にネチネチと。。A型が多いからしょうがないか。。インドはB型が6億人だから。。 世界最強の国であることは間違いない。

2011年8月24日水曜日

3.5 インド人の生き方 : 日本人が幸せになる為の処方箋

「インド人の幸せ感」というのは、インド人が日本人比べてバランスの取れた精神構造をしているからだと前回書いた。 日本人が心のバランスを取り戻すステップは以下の通りだ。。

ステップ1.)「考えない練習」

日本人が通常インド人と仕事をすると「こいつら全く考えてないな!!」と腹が立つ。。正確に言うと「4時半以降の先の事については全く考えが及ばない、、というか今以外の事は考えていない。。」これはインド人の恐るべし「先の事を考えない力」だ。。  別の言い方をすると「今この瞬間だけに集中する力」だ。  実はこの「先を考えない技術」こそが、、幸せの源泉なのだ。。ということにある日気がついた。 


既に私と同じ事に気が付いている方がいて、本が出版されていた。 東大出の若いお坊さん小池龍之介氏の「考えない練習」 だ。


あるいは、技術系の人であれば 「頭を「空っぽ」にする技術」 が良いかもしれない。


日本人の硬い「 頭 」は、これらの本を読んだだけでは恐らく壊れない。。そんな方は次のステップが必要だ。。


ステップ2.) インド・プロセスの体験

少なくとも三ヶ月はインドの田舎でアパートを借りて暮らしてみる。 インド人と同じ食事をして、インド社会の不合理さを体験し、インド人の暖かさに触れる。 ここで重要なのは観光とか何かを習うとかはやらない。。先の事は考えずに、ただボーっとして過ごす事が重要だ。。

ここでは、何もしない、、というか日本での自分(職業、肩書き、家族、価値観、、、)を捨てて(投げ出して)裸の自分になりインド人、インドを受け入れてみるということだ。。。


何もしない、、何も予定が無い。。という事に慣れたら、、朝の公園とかで瞑想しているオジサンに声をかけて、、一緒に瞑想してみるのがいいだろう。。。。何も無いという幸せの扉を開ける瞬間が来るかもしれない。。



ステップ3.) 瞑想的に生きる

インドは瞑想大国で、中学、高校、大学の授業で、、あるいは個人宅の瞑想会。。さらに本格的な瞑想道場(アシュラム)が沢山ある。 瞑想の方法も沢山ある。 例えばヨガは瞑想の為の準備運動のようなものだ。 自分に合った瞑想方法を見つけて毎日瞑想してみる事をお勧めする。

日本の社会の中でお金を稼いで生活するには、「頭」を使って賢く合理的にに生きるしか無い。  ただその時に、、「こころ」が主体で「あたま」は合理的に生きていく為に賢く使う、、という事に「気付いて」 毎日を生活する事が「瞑想的に生きる」ということだ。 瞑想的な生活とはその瞬間瞬間の「気付き」を持って生活する。。。ということのようだ。

瞑想すること自体 は 「 瞑想的(気付きの中)に生きる 」 為の練習、準備運動のようなものだ。


この3つのステップが日本人に贈る 「幸せになる為の処方箋。。」 だが、、いかがだろうか?


【今日の写真】
プネ市サルスバーグのガーネーシャ・テンプルの参道には家で飾るガーネーシャを売る露天が並ぶ。ビニールを被って売られているガーネーシャ像は水に溶ける特殊な材料で作られており、ガーネーシャ祭りの時に河に沈められる。 写真は露天の親子。真面目そうな好い息子さん。

2011年8月23日火曜日

3.4 インド人の生き方 : 週末のレストラン

コレガオンパークの奥まったところに、ダリオスというイタリアンレストランがある。  2009年の11月ごろにオープンしてもう2年になるだろうか。。
ダリオさんというイタリアン人がオーナーで、お気に入りのレストランだ。  これまでは外国人しか行かないので、、いつ潰れるか心配していたが、、

この前の土曜日の夜9時に行くと、満席なのに驚いた。 しかもインド人の家族連れで一杯なのだ。 インド人は小さな子供も平気で連れて来るので、もう運動会のグラウンドのような騒がしさだった。  お店的には繁盛して良いのだろうが、、インド人だらけでは、、雰囲気台無し。。。だ。。

土曜日、日曜日の夜はほとんどのインド人一般家庭では外食と決まっている。  それは何故か?   お手伝いさんがお休みだからである。 基本的にインド人主婦は一切台所で料理とか洗い物をしない。(チャイくらいかな) 使った食器は洗い場にためておくだけだ。

サラリーマンの一般家庭でも、掃除洗濯のお手伝いさん、子守りのお手伝いさん、外回りの掃除・草むしりのお手伝いさんと、、、基本的に主婦は何もしない。。  こう書くと「そんなこと無いわよ。。」とインド人主婦に反論されれるが、、日本人から見ると、、買い物以外「何もしない」。。

日本人の主婦は本当に大変だと思うが。。。インド人の奥さんは結婚すると3倍太ると言うのは、、理解できる。。更に子育ての負担が全く無いので子沢山だ。。 その代わり大家族に組み込まれる訳だが、、、

話をレストランに戻すと、、土日はお昼も含めて、、大家族全員(10人を超える)でレストランに出かける。。  インド人のご主人も子供は家に置いて行きたいと心から願っているはずだが、子守りのメイドさんも休みであれば、預かってもらえないので連れて行くしか無いという事らしい。   ご苦労様としか言いようが無い。。 インド人に「週末はユックリくつろぐ」という感覚はまだ無いような気がする。。。

【今日の写真】
プネ市の中央野菜卸売り市場のマンダイ・マーケットの中を縦横無尽に自転車で走り回る地元の悪ガキたち。 本当に楽しそうだ。

2011年8月22日月曜日

3.3 インド人の生き方 : インド・プロセス

インドで働くには、最初に1)FROで外国人登録を行い、次に2)銀行口座を開いて、それから3)PANカード納税者カードを取得する。

これで晴れて正式にインドで働く日本人となる。 が、、これらの官公庁、銀行のプロセスには恐ろしく時間がかかる場合がある。。1)2週間、2)一ヶ月、3)2週間で、計2ヶ月で3つのプロセスが完了するのがベストケースでは無いだろうか。。。

1)FRO外国人登録では、警察の外国人登録所のカオスな状況を体験できる。 窓口の順番が一切不明で、窓口の担当者は全員言う事が違う。。ここに明日来いと言われるがまま5,6回通って、、先ず外国人登録証明をゲットする。

次に2)銀行口座を開設してキャッシュカードを含むスタートキットを郵送で入手する。  私の場合、口座は直ぐ開設でき給与振込みが始まったが、キャッシュカードが送られて来るのに一ヶ月以上かかり、振り込まれているのに引き出せない状態で、、気が狂いかけた。。カードが会社に配達された時に不在だと、、カードはチェンナイのセンターに送り返されてしまう。。再送に2週間かかるのだ。。。ここだけセキュリティ完璧。。

更に私の場合、3)PANカード(納税者カード)の入手に一年かかった。。。もう半ば諦めていたころに、、突然プロセスが進みカードが送られて来た。その間、銀行の残高証明、FRO書類の再提出。。。など一応担当者の反応は遅いながらもあった。申請した時期がデリー集中事務から各都市へ権限移譲のちょうど狭間に入ってしまっていたのが遅延の理由らしいが、、PANカードが無いと一律20%の所得税がかかるのだ、、年末調整で戻るということは無い(と思う)。

日本の10倍以上時間がかかるインドのお役所仕事について、インド人の間での諦めの表現として「インド・プロセスだから。。」という表現を使う。  急いでもだめだ「諦めろ」ということだが、、 このインド・プロセスを体験する事で、、かなり日本の価値観が破壊され、、「先の事は考えない」 と言う力、「インド人の生き方力」 が備わってくる。  

インドで働く心の準備をさせてくれる訳だ。。。有難い。。

【今日の写真】
リキシャに乗ると、3回に1回はガソリンスタンドに入る。 いつもぎりぎりのガソリンで走っていて、お客さんを乗せると安心して、その分だけガソリンを入れるらしい。 写真のリキシャはバジャジ社の標準RE2の140ccガソリン版モデル。 プネ市では2009年以降新車は全てCNG(ガス)対応車が義務付けされた。CNG対応車は遅くてリキシャワラーの評判も良くない。特にガス・スタンドが少ないのが問題と言っていた。

2011年8月12日金曜日

3.2 インド人の生き方 : No problem

「 No problem 」と「Tomorrow」という口癖は、インド人の国民病だと言われている。。

ある日サウナで日系企業で働くインド人と一緒になったときのことだ、「日本人と仕事をして問題は無いかと?」と訊ねると「No problem」との答えが帰ってきた、、そこで「日本人はインド人がNo problemと言うのがproblemだ。」 と言い返し、大笑いしたことがある。

インド人は、日本人の感覚から見ると問題だらけの中に生活しているので、日本人の要求なんかは「たいした事では無いので、手が空いたら直ぐやろうと、今は思っている。」というのが「No problem」の意味になる。

ところが、手は空かないので、ずっと放ったらかしになる。確認すると「No problem」ということなので、「 一切の期待を持たずにインド人に身をゆだねる」 事ができるようになるにはインドに住んで最低一ヶ月はかかる。

さらに、日本人が考える「問題」とは過去の原因があって、今起こっている事象があって、その対応策を取って、将来の再発ぼうしの歯止めを行う、、という感覚だが、、インド人の言う「 problem 」とは、「現在起こっている事実」でしか無い。

「今起こっている事実」にはなにがしらのアクションを取るが、先の事に対して何かをしなくてはいけないという発想が無いように思える。

ある事実を「頭」で捉え、自分の中の基準より超えた物を「問題」だと、日本人は考えるが、インド人から見ると日本人が頭で考える事に興味は無い、 ということになる。

インド人に対して「No problem」と言えるようになった時、全ての問題は無くなる。

【今日の写真】
2009年1月にプネ駅前で撮った写真。 ミタ・マサラ・パンを買っていて後ろを振り向いたらこのオジサンが立っていた。 今考えると物乞いだったのだろうか、、あまりに強烈な印象だったので写真を撮らさせていただいた。いいねえ。

B.1 番外編: インド人の血液型

3月のある日、インドに住んでいる日本人の夕食会で、参加者10名中8名の血液型がB型という事で話が盛り上がった。

インドは世界で最も「B型」が多い国だそうだ。血液型による性格判断というのは科学的根拠は無いらしいが。。 何しろ41.2%がB型ということは、5億7000万人のB型の人がいるのだ。。

自分はO型なので、B型の人の気持ちはよく解らないのだが、その時のB型の人の話では、「日本で何かしら疎外感を感じていたがインドに来て、、インドにハマった。」そうだ。、「インドはB型パラダイス」なのだそうだ。

B型の人は是非インドに住んでエンジョイしてもらいたいものだ。。A型の人はインドに馴染むのに苦労するかもしれない。

【今日の写真】
場所はチェンナイの花屋さん通り。このあたりは通り毎に八百屋通り、食器屋通りという風に同じお店が100m位両側に続く。 インドでは神様に捧げるデコレーションした生花がとてもキレイで、ビジネスになっている。 写真のお兄ちゃんが写真を送ってくれと言ってメモをくれたが、、eメールでなくて住所だった。 パソコン使っているわけないか。。

2011年8月10日水曜日

3.1 インド人の生き方 :インド人が幸せな理由

インド人は明らかに日本人よりもハッピーそうに見える。何故日本人に比べて幸せそうに見えるのか、、

ある日、インターネットで精神科医の泉谷閑示先生が、連載しているサイトを読んで、ナルホドと思った。 泉谷閑示先生は人間を「頭」「心」「体」で説明している。

引用させていただくと、

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「頭」は理性の場であり、コンピューターのような働きをする場所で、情報処理を行ないます。 すなわち、記憶・計算・比較・分析・推測・計画・論理思考などの作業をします。 シミュレーション機能を持っていて、「過去」の分析や「未来」の予測を行うのは得意ですが、「現在」については苦手で、「今・ここ」を生きることはできません。 (ですから、「過去」の後悔や「未来」の不安などの感情は、「心」由来ではなく「頭」由来なのだということになります。)

 また、「頭」は、must や should の系列の物言いをするのが特徴です。「~すべきだ」「~してはならない」「~にちがいない」といった感じです。

一方の「心」は、感情・欲求・感覚・直観の場です。

「頭」は「過去」と「未来」が得意な時制でしたが、「心」はもっぱら「今・ここ」つまり「現在」に焦点を合わせます。「頭」の計画性とは対極の、自在な即興性を備えています。

「心」が使う言葉は、want to や like の系列です。 「~したい」「~したくない」「好き」「嫌い」などです。「頭」のように論理的思考を行いませんから、決して理由をくっつけた物言いはしません。 いきなり結論だけを言ってくるのが特徴です。  しかし、それは決してデタラメなものではありません。 「心」はそもそも、「頭」とは比べ物にならないほど高度な知性と洞察力を備えているものなのです。  しかし、あまりに高度なので「頭」には大抵解析不能です。

----------------------------------------------------------------引用終わり

「インド人の幸せ感」というのは、インド人が日本人に比べてバランスの取れた精神構造をしている為では無いかと思った。 逆に言うと、最近の日本人の精神構造が極めて不健康ではないかと。、、以下のように図示してみた。
インド人はここで言うところの「頭」が発するmust や shouldよりも、自分の「直感力」に正直に生きていて、日本人よりバランスのとれた、健康的な精神構造であるような気がする。  一方日本人は、頭で考えるmust shouldに偏重した「頭」でっかちで、「心」をないがしろにした不健康な精神構造ように思える。 日本人が幸せになる為には、「頭」が考える「損・得」よりも、「心」に閃く「好き・嫌い」にもっと正直に行動してみてはどうかと思う。

社会全体が精神的に不健康に陥っている日本の中にいては、、一人だけ好き勝手に行動するのは難しい事かもしれない。 ではどうしたらいいのだろうか、、三つの処方箋があるように思う。。

2011年8月8日月曜日

2.2 納期前日に徹夜して完成させる美学

インドでは一夜にして突然出現する、、という事象に時々出くわす。。

コレゴンパークのレーン6にファブインディア・サリー専門店が今はある。2年前の当時は、そのまえをリキシャで通る度に、工事がなかなか進んでいないように見えていた。 開店は半年先かなと思っていたら、その翌日にオープンして驚いた記憶がある。

プロジェクト管理からすると、日々の進捗管理ができていないだけなのだが、、どうもインド人の気質?として「Tomorrow、、Tomorrow」 と 「先送りしていた物を納期の直前に信じられないパワーを発揮して一夜にして完成させる事」 に美学を感じているのでは無いだろうか、、、としか思えてならない。

インドに来た日本人は、当初はこのスタイルにかなりストレスが溜まる。。

「できるのにやらない」 これは今だに本当の理由は解らない、、理由は無いのかもしれない。

「 今、手が空いているだろう、、今やっておけば後が楽だ、、」というのはどうも世界の中で日本人特有の感覚なのかもしれない。  

インドでは、「後で楽だ」 と 「今、楽だ」 では、、間違いなく 「今、楽だ」 が選択される。


【今日の写真】
インド北部のリシュケシに行った時に出会った、ダージリンから家族でヒンディ寺院に参拝に来たという女性。

2.1 インド人の完成度に対する感覚の差

インドに来て一ヶ月後にオフィスとアパートの引越しを行った。 引越し予定の新築ビルディングの三週間前の工事の様子が次の写真だ。この現場に行った日本人なら「後半年は完成までに必要だ。」と感じるのではないだろうか。

この時点で現行オフィス、アパートの賃貸契約の見直しとか引越の再スケジュールとか、影響する事項の洗い出しと対応策を作るが、、インド人は違った反応で「ほとんどできてる。後三週間もあるから大丈夫。 3シフトで作業するから、ここまでできていれば後は内装だけだから。。」(*☻-☻*) !!

最初は冗談を言っていると思ったが、本気だったので二度ビックリ。  インドの建設工事現場を見るのは初めてだったので、日本人が知らない工法で完成させるのか、、その時は、まあお手並み拝見といった感じだった。

引越しの一週間前の状況が以下の写真で、これでさすがに一週間後の引越しは無理だろうと日本人なら200パーセント思うが、インド人は「まだ大丈夫、急がせるから!」

直前でバタバタするのは嫌だなと思いながらも、、言い張るインド人には「もう好きなようにしたら。。」と諦め状態だった。結局引越し前日の午後になってに「一週間後に延期」となったが、アパートの契約は延長できない等対応に追われた。 この時点で、日本人だったら少なくとも「3ヶ月は延期」とするはずである。


結局一週間延期した引越し当日も工事は続いており、オフィスの一角だけが完成して、オフィスのドアを開けると頭に砂の入ったバケツを乗せたオバサンがウロウロする工事現場だった、、そんな環境が半年続いた。右の写真は引越し後2ヶ月の外装。
ビルの外壁の足場が撤去されたのは引越しから一年後だった。またさらに一年かけ外装の装飾工事が続いた。

インドでの新築ビルディングへの引越しは、、これがノーマル・スタイルだということが、、後で分かった。。日本では工事完了基準とか法律で完成前の物件を使用する事はできないが、、、

インド人が 「ほとんど95パーセント完成している」 という感覚は、日本人からすると甘くみて「65パーセントの完成度」という事が、建設工事だけではなくインドにおける事象の全てに言えるのかもしれない。。別の言い方では、、 「物作りの完成度については、インド人の言う事に対して、日本と同じ期待値を持って接しては駄目だ。」 という事である。

これは良い、悪いという事では無くて、インドでは作業工程(専門)が細分化されていて、全体の進捗を管理するのは容易では無い。 従って最少必要部分だけを先ず作り、周りの部分は使いながら順に作って行くというスタイルなのだ。  これは驚いた事にソフトウエア開発でも同じで、、彼らはプロタイプ開発とか、スパイラル開発とか、RADだと言っているが、、確かにインド人向きの開発手法だなと改めて感心した。

2011年8月7日日曜日

1.3 インド人の時間感覚 : この瞬間に生きるインド人

まさにインド人は「今日に生きる」「この瞬間に生きている」という思いが日本人に比べると格段に強い。

これが普段の行動にどう表れるかというと、「計画や予定よりも、今この瞬間の思いを最優先する」という事になる。 別の表現で言うと「ドタキャン」が多い、「朝令暮改」が多いという事になる。

職場で週末にイタリアン・レストランに行こうと盛り上がっていて、当日の夕方になって「ドタキャン」するのは当たり前、、と言うのがインドの一般常識らしい。 ただ、そのお断りの理由が日本人には理解し難いものがある。「お祖母さんの誕生日」「友達の子供の誕生会」「姉の買い物に付き合わなくてはならない」等、、インドに来た当初は自分のインド人の中におけるポジションの低さに少々自己嫌悪に陥った思い出がある。 会社の中でも、「アレ?いつ間に方針転換したの。。」という事も度々あったような気もする。

「PLAN」とか「スケジュール」に対する感覚がインド人と日本人で異なる主要因ではないかと思われる。インド人は現在起こっている事に対して対応する能力は凄いが、現在ではない事(過去、未来)にエフォートを注ぐという発想が無い、というかそこに価値を置かない。

日本で新幹線が47年間死亡事故が無いというその裏では、あらゆる過去に起こった事故や故障の原因を調べ恒久的な対策を取って行く、、日本的な発想というか素晴らしい一面だが、インドでは無理なような気がする。

「過ぎ去ったものは早く忘れて次へ行こう、先の事を考えたって、その時になってみないと分からない。」 こう書くと、インドはデタラメのような所かと。。思えてしまうかもしれないが、、実際は日本人と同じ時間感覚を持った超優秀な一握りのインド人が全てをコントロールしている(のではないかと思う)。

これはまた後々書こうと思っているが、日本人の行動は「must, should be 」から促されている場合が多いような気がするが、インド人の行動のベースはこの瞬間の「want」だ。だからインド人の上司の元で働くのは少々覚悟が必要だ。

【今日の写真】
最初にインドに来た日の午後、泊めてもらった友人の親戚のオバサン宅に招かれて撮った一枚。 写真を撮らせて欲しいと言ったところ、「サリーを着てくるから待って」と言われて、、ちょっとしたスナップのつもりが、、ずいぶん時間を取らせてしまって申し訳なかった、、記憶がある。 

2011年8月6日土曜日

1.2 インド人の時間感覚 : Tomorrow

インド人に「xxxはどうなってますか?」と確認するとたいがい「Tomorrow」という答えが返ってくる。

翌日また「xxxはどうなってますか?」と尋ねると「Tomorrow」と答える。インドに来た当初は延々と続く「Tomorrow」に呆れはてていた。 ある時インドで働く日本人が集まる時があり、インド人の時間感覚の話で盛り上がった。どうやらインド人は「今日とそれ以外の日」しか無いらしいと。。 ヒンディ語で「KAL」カルという単語は文脈により「明日」になったり「昨日」になったりするらしいと。。 早速職場のインド人に確認すると、

私は明日会社へ行きます。
メ カル カンパニー コ ジャウンガ

私は昨日会社へ行きました。
メ カル カンパニー コ ガヤター

メ(私は)カル(明日/昨日)カンパニー コ(ヘ) ジャナ(行く)

ジャウンガ(行く 未来形男)

ガヤター(行く 過去形男)

ううむ、やっぱりそうだったか、、インド人の「Tomorrow」は「明日」ではなく「今日以外のいつの日か」という意味で、日本人が思う「明日必ずやる」という意味では無いのであった。インド人は「今日(今、この瞬間)に生きている」という思い入れが強いのだ。

日本人の時間感覚は「過去、現在、未来という時間軸を歩いて行く」というイメージだが、インド人は「朝目覚めてから寝る迄の今日一日」と「それ以外の日」、時間感覚的には「今日」という日の連続なのではないかな思う。

この事がインド人の行動にどう表れるかというと、


【今日の写真】
料理スクールに行ったときの一こま。 生徒はインドの長谷川理恵という感じのプネ大学に通う彼女と2人で、サブジ等5品位を作った。 インドでは婚約が決まるとあわてて料理学校へ行くそうだ。 写真の彼女も全く料理は初めて。。という感じのお嬢様だった。 帰りにスクータの後ろに乗せてもらいホテルまで送ってくれた。 窓から差し込む光がフェルメールの絵画ような雰囲気で、お気に入りの一枚。

2011年8月5日金曜日

1.1 インド人の時間感覚 : インド時間


インドに来て最初に戸惑うのは待ち合わせとか車を手配した時間が当てにならない事だろう。慣れればどうという事は無いが、インド人の言う時間の倍から三倍はかかると思えば問題ない。 例えば、電話で「5分で行く」とインド人が言った場合は15分は待つのが当たり前だ。危険なのは「15分で行く」という場合で、この場合の15分という意味は「自分としては直ぐに行きたいのだが、いったいいつになるか分からない」という事のようだ。 従って通常は15分経っても来ない。 電話すると「5分で行く」と言う、その後は蕎麦屋の出前状態となり、大体一時間はみておく必要がある。しかし本人に悪気は全く無く、一生懸命来ようとしている(と思う)。 インドで時間通り来たらラッキー!と言う事になる。時間に関しては、インド人がと言う事では無くて、日本人が世界の中で最も異常に正確すぎる、という問題かもしれない。
さらにインド人の感覚では20分までの遅れは許してもらえる、全く問題無い範囲らしい。 初めて日本に行ったインド人が初日に地下鉄の出口に迷って20分遅れてお客様の所に行った際に、お客様から怒られたのだが、最初その20分遅れた事について怒られる理由が分からなかったそうだ。
インド人にこの時間のルーズさについて理由を聞くと、「インドの交通インフラが整備されていないので、渋滞があったりで、待ち合わせの時間に間に合わないのだ」と言う。 だったらその分余裕をみて早く出ればいいじゃないかと思うが、、どうも根本的に約束に対する重み付けが軽いように思う。それは何故か。。



【今日の写真】
プネ市アウンドーという町に一ヶ月住んでいた。パリハリチョークという一角に野菜、果物の露天が並ぶ地区があり、その中で一番上等な果物屋さん。 小学生高学年と思われる少年が日中は店を仕切っていて、食べごろのマンゴーを選んでくれる。 「1ルピーたりとも損はしない」という商人根性が入った感じがとても良い。。

2011年8月4日木曜日

はじめに


最初にインドを訪れたのは2008年12月だった。当時勤めていた会社を早期退職して、かつて同じプロジェクトで働いたインド人からの結婚式へのお誘いもあり、インドに一ヶ月滞在したのが最初だった。その後現地企業で二年間お世話になった。今は一つの区切りが来たという感じがしていて、インド人から学んだ事を忘れないうちに記録しておこうと思う。恐らく、インド企業に現地採用されたばかりのインド入門者、あるいは、これからインド企業の現地採用で働いてみようと思っている方には、、少しのアドバイスになるかもしれない。
全てが日本の対極にあるインドを知るという事は、、実は日本を知るという事だった。更にインド人の行動特性を知るという事は日本人を知る、、しいては自分を知るというプロセスでもあった。
それから前提とでも言おうか、、多民族、多言語国家のインドに一般常識は存在しない。地域(言語)と宗教とカーストと職種(社会的な所属グループ、年収)と少なくとも四つのパラメーターで絞り込まないと共通項で語るのは不可能だ。従って、、このブログの前提は、インド西部(マラティ語)、ほとんどがヒンディー教で、最上位カースト出身者の割合が多いIT系企業という事になる。
さて、今思い付く項目を列挙してみた。取り敢えずは以下の項目に従って、エピソードを交えてブログを更新して行きたいと思っている。
第一章: インド人と働く
インド人の行動原理について
1.1 インド人の時間感覚 : インド時間
1.2 インド人の完成度に関する感覚
1.3 インド人の味覚
1.4 インド人の金銭感覚
1.5 インド人との仕事
1.6 インド人の言葉 、日本以上にハイコンテクストな世界
1.7 インド人の結婚感覚
1.8 出会ったインド人
1.9 インドの若者のスタイル
1.10 インド人の生き方
1.11 インドの医療
第二章 : インド人と働く日本人の悩み相談室 (案)
番外編 :インドにおける日本人と韓国人


【今日の写真】
チェンナイにある世界遺産「マハバリー・プラム、海岸寺院」に行ったとき、修学旅行の小学生の一群に取り囲まれた。 日本人が珍しいのか、すごく盛り上がっていた。 天真爛漫な透き通った目が、、印象的だった。