2012年6月16日土曜日

インド・オフショア開発の盲点

アプリケーション開発などで、インドIT企業を活用しようと考えている方も多いと思う。 日本が1990年後半から中国にIT関連をオフショアした際の大きな過ちは、日本人の書いた仕様書、開発方法で、日本語のできる中国人を使って開発したことにある。  何が失敗かと言うと、グローバルスタンダードに沿った、英語の仕様書、世界標準の開発手順に日本企業が生まれ変われるチャンスをみすみす失った事である。 中国もきっと失敗したと思っているだろう。 さて、中国の人件費が高騰してきて、次はインドだと。。 2008年のリーマンショック直後はインドのIT企業も次は日本からと期待したが、日本からのオフショアは、インド人マネジメントから見ると期待外れに終わった。今はもう日本熱も冷めてしまっている。 日本企業がグローバル化せずに、中国に出していた様に、これまでの日本語の仕様書をインドに送って、さあ作れと。。インド人は「ハイできます。No problem!」しかし、結果は、納期に間に合わないは、品質的に日本人の満足からは程遠い結果となる。 これは日本側に問題がある事を日本人は分かっていない。 インドのオフショアIT企業はアメリカやヨーロッパの国々のオフショア開発の実績がある。中国IT企業と違いインフォシスやタタコンサルティングは銀行や自動車等で独自のソリューションを持って世界展開している。 答えは簡単で、グローバルスタンダードに沿った開発手法と英語仕様書で発注すればイイだけだ。 自分たち(日本人)が正しいという勘違いを捨てない限り、インドとは上手くいかない。 日本とは別の意味で複雑で大きな問題を抱えたインド社会が年率7%を超える経済成長を続けているのだ。彼らのやり方はそれなりに理にかなっているわけだが、、頭の固い日本人には理解不能かもしれない。

2011年11月5日土曜日

B8. 番外編 : インド・韓国・日本 その1


インド滞在中に何人かの韓国人の知合いができた 。 正直言うと、それまで韓国について新聞で読む以上の興味がなかった。 ただ、インドでは韓国製品が浸透していて、特に家電製品のLG、携帯電話のサムソン、車のヒュンダイはインド人からの信頼も厚いようで、薄型テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど、インド人家庭の全ての電化製品がLG製と言ってよい位だ。

最初は超低価格製品からスタートしたが、今は低価格から高級品まで品揃えが整っている。 LGにしてもヒュンダイにしても新製品のサイクルが驚くほど早いというのか激しい。 それに対して日本製の評判が良くないのは、「日本で型落ちの古い製品をインドに回している」と思われている事だ。

ヒュンダイは南インドのチェンナイにインド国内及びアジア向けの巨大な生産拠点工場を作り、100万台の輸出実績を作り、インド最大の車輸出メーカーに成長している。 ヒュンダイというと、以前は冷蔵庫にタイヤがついているような印象だったが、今は完全に日本車を凌駕していると言って良いかもしれない。最近は特にデザイン面で本当にカッコイイ。 新型i40ワゴンのYoutubeでのレポート映像を見て欲しい。 1700ccで車格的にはゴルフやカローラ・フィルダーに該当するが、リヤウィンドーへの流れの処理などはデザイン的な新しさを感じさせ、商品的な魅力では、ウォン安での価格競争力を考慮すると既にゴルフをも上回っているのではないかと個人的には思ってしまう出来だ。


日本人がインドへ赴任するのが嫌だ、インドは汚い、テロが危ないなどと引きこもっている間に、韓国人はなんの躊躇も無くどんどんインドに進出している。ビジネスだけで無くインドの大学にも沢山の学生が留学している。 インドで出会う日本人は、特にビジネス以外の人達は、どちらかというと(私も含めて)日本から逃避してきた感じ、別の表現ではインドへの愛着 (インド好き)が感じられるが、、インドにいる韓国人は大学生も含めて、基本ビジネスの観点でしかインドを見ていない、という感じがする。 インドが仏教発祥の地だとか、アジャンタの石窟寺院で涅槃の仏陀を見ても日本人ほど感動していないように思える。また、インド料理にも特段興味が無いように見える。

バブル以降、価値観が 多様化(停滞)してしまった日本と、日本のバブル絶頂期に似た雰囲気の韓国、インドではその差をより強く感ぜずにはいられない。しかし日本は経済的にはサチュレート(飽和点を通過)してしまったが、文化レベル?精神構造的?には、バブル崩壊のおかげで欧米並みに成熟したのかもしれない。

【今日の写真】
デリーで見かけたインドの女子高の修学旅行生達。 何故か彼女たちから記念写真を一緒に撮られサインを求められた。外国人が珍しかったのだろうか。。それともモテキ?

2011年11月4日金曜日

3.8 インド人の生き方 : 日本人がシンプル・ライフを実践できないワケ


インド人の御宅にお伺いすると、部屋が広い事もあるのだろうが、 片付いているシンプルな空間がどの御宅にもある。  インドにも、経済成長と 伴に物に溢れる生活が直ぐそこに来ているのかもしれないが、 明らかに日本ほど物に溢れている事がない。。。 インド人は普通にシンプルな生活をしているが、、日本人には何故難しいのだろうかと、日本に帰国して物にあふれる部屋を見てふと思った。

「こころ」で生きているインド人は、「アタマ」で生きている日本人に比べ、物への執着心が少ない。  インド人は「今ここに」に必要なものがあれば十分なのだ。  それに比べ「過去への執着」と「未来への不安」の強い日本人は、物が捨てられない、未来への不安から物を貯め込む。

かつて「シンプルライフ」という言葉が流行したが、  おそらく日本人では一度は片付いてシンプルな生活になるが、直ぐ元の木阿弥になってしまうのではないだろうか。  「アタマ」で考えて、いくらシンプルに生きようと思っても「過去」と「未来」を捨てて、インド人の様に「今ここに」だけ生きるライフスタイルにパラダイムシフトしない限りは無理なのだろう。

ところが日本に帰ってきて、本屋で「断捨離」という本を見つけた。 これは確かにシンプルライフの為の物理的な整理整頓術 では無く、本質的に「過去」と「未来」を捨てて、インド人の様に「今ここに」生きる生活への精神構造のパラダイムシフトを説いている。 「 断捨離」は、日本人が幸せになる為の具体的な手法だと思う。

【今日の写真】
北インドのハリドワルという町では何故かリキシャがコテコテにデコレーションされていた。 チョット怖いような、しかし近寄ってみるとカワイイ、デコ・リキシャに溢れていた。

2011年9月20日火曜日

B7. 番外編  やさい市場 Mandai Market

インドの野菜は何故か美味しい。 カリフラワー、ブロッコリー、ピーマン。 それぞれ味が濃厚だ。

ただ、近所の八百屋では直ぐにしなびてしまうのか、良い時と悪い時の差が激しい。 

今回の映像はプネ市の台所マンダイ・マーケットをブラブラしたときのものだ。 インド特有の野菜もあれば、大根もある。 パスタの材料になるものは無いかブラブラするのは本当に楽しい。

今回の曲は、Geetikaさんの「 水 」だ。

2011年9月19日月曜日

B.6 番外編: My Favorite Place



昨日に続いて、もう一本映像です。 トゥルシバーグはラクシミ通りにある古い繁華街だ。 
東京上野のアメ横に雰囲気が似ている。 この雑踏と細い路地の奥をウロウロと探検するのが楽しい。

露天のオモチャ屋のオジサンと値引き交渉してみたり。。面白い。

ビデオで取った音は消して、Geetikaさんのピアノだけにしてみた。 今回の曲は " Le vent "

2011年9月18日日曜日

B.5 番外編: リキシャで通勤


コレガオンパークからマガルパッタまでリキシャで通勤していた。インドに来て、このリキシャという乗り物が大好きになってしまった。15分以内のちょっとした移動には車は過剰なのではないか?そう思うようになった。
ビデオのリキシャワラー(ドライバー)は1年余り毎日、頼みもしないのに迎えに来るようになった。 英語も話せないし、携帯電話も持っていない。 たまに会社を休むとずっと待っていたのに。。と文句を言う。。でもこのおじさんとは阿吽の呼吸ができて、、イイ関係だった。

ビデオは1月のある日、とても寒い朝だったような気がする。 コレガオンパークからカリヤニ・ナガールに渡る橋の交差点を通り、ウェスティン・ホテルの前を通る。ついこの間なのに、もう懐かしい気がしてきた。

ビデオに付けている曲は、プネで知り合ったジャズ・ピアニストのGeetikaさんの曲、「Satellite」だ。使用の承諾をいただいている。 

2011年9月17日土曜日

4.8 インド人の味覚 : インドの御節料理


10月から11月にかけての新月の日がディワリの祝日(連休)でインドの新年にあたる。 光のお祭りとも言われていて、街中が色とりどりのイルミネーションで飾りつけられる。 そして爆竹が連休の間中鳴り響く。

インドのおせち料理を是非食べに来て下さいとお招きに預かり、楽しみに出かけた。 そしてそのディワリのおせち料理が下の写真だ。。

「甘い、乾き物ばかりじゃん。。これを3日間食べるの?」との問いに「ハイ」と明るい返事で、これには本当にがっかりした。 何か特別料理があるのかと思っていたが。。 

日本のおせち料理もそうだが、主婦が新年に台所で料理しなくても良いようにという事らしい。(単にメイドさんが休みで、レストランも閉店ということではないかという気もするが。。) インドでも昔は甘い物が貴重だった、その名残が今も残るということだそうだ。

日本人へのアドバイスとしては、ディワリ期間中はレストランも閉まるのでどこか旅行に行くのが良いだろう。。アパートにいても連日一晩中爆竹で、インド嫌いが加速するだけだ。